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あれもこれも扇風機?!最新涼風事情

Vol.93 / 2019, 07

「そよ風の扇風機」を開発していたのは去年のNHK朝ドラのお話でしたが、長く猛暑が続く日本において、扇風機というジャンルの進化はとどまるところを知りません。たかが扇風機、されど扇風機。2019年に話題の新・扇風機を集めて紹介します。

SUNWOOD CLUB MAIL MAGAZINE Vol.93

扇風機DCモーターから始まった扇風機の高性能化の波扇風機

2000年代までの扇風機は、約100年間も機能的に刷新されることがなかった、完全に“枯れた”家電でした。そこにDCモーター(*1)を使用した新製品が登場したのが2010年。The GreenFanという扇風機が、革新のはじまりだったといわれています。

※1 ここでのDCモーターは、無整流子電動機のことをさします。電圧を変えることで可変速運転ができ、小型で大きな出力が可能。コンピュータの冷却ファンやHDD装置などに使われています。

The GreenFan
バルミューダ

The GreenFan(バルミューダ)

「扇風機の風を再発明した」といわれるのがこのThe GreenFan。窓から吹きぬける気持ちのいい風を再現できないか…。2018年のNHK連続テレビ小説「半分、⻘い。」での劇中の扇風機開発部分の原案になっていたのが、この会社の開発ストーリーです。自然の風と扇風機の風の違いを突き止めようと計測を繰り返し、気づいたのは「自然の風には渦がない。扇風機の風から渦成分をなくすことはできないか」ということでした。試行錯誤しながら辿りついたのが、速度の違う風を同時に送り出す二重構造の羽根のカタチでした。風と風をぶつけることで、渦が消え、面で移動する自然界の風が再現されたのです。

独自の羽根を、ごくゆっくりと回転させるために、今まで扇風機に使われてこなかったDCモーターを世界で初めて採用したのも、このThe GreenFanでした。

プラズマクラスター扇風機 PJ-J3DG
シャープ

2019年現在、DCモーターは「高性能な扇風機を求めるならマスト」といわれるくらい扇風機市場に広がりました。DCモーターは羽の回転を非常に細かく制御できるので、機種によっては無段階調節が可能なこと、就寝中にずっと使ってもカラダに負担がかからない微風もつくれるのが特徴です。消費電力が非常に少なく、静音であることも特徴です。

プラズマクラスター扇風機 PJ-J3DG(シャープ)

シャープのDCモーター扇風機は、まるで花びらやチョウチョの羽のような7枚羽が特徴。これはアサギマダラ蝶の羽根の“くびれ”と“うねり”、アゲハ蝶の羽根の“尾状突起”、“蝶の翅脈(しみゃく:羽根の筋)”の形状からヒントを得た、「トリプル・ネイチャーウイング」と命名された形です。7枚の羽から各3種の風が発生し、7×3=21種類の風がミックスするため、なめらかな風が生まれるのだそう。さらにシャープ独自のプラズマクラスターイオンによる肌保湿効果があり、肌への負担感を軽減してくれます。

Dyson Pure Cool Me パーソナル空気清浄ファン
ダイソン

羽根がないデザイン、さらに空気清浄機能付きでブームを起こしたダイソンの扇風機「Pure Cool」。今年はさらに形状が進化し、コンパクトなサイズの新モデル「パーソナルファンPure Cool Me」が登場しました。

Dyson Pure Cool Me パーソナル空気清浄ファン(ダイソン)

気流がコアンダ効果(※2)によって、中央のドームの凸状の表面に沿って合流し、集中したまっすぐな風を発生させます。ドームを動かして風向きを正確にコントロールすることができ、必要な場所に風が届くというものです。涼しさだけでなく、ニオイや汚染物質を吸着するHEPAフィルターによる空気清浄機能も優れています。

※2 コアンダ効果:水や空気などの流体は物体の表面にくっつく性質があり、物体がなめらかに曲がっていれば、流体は流れの向きを変えて物体に沿って流れる現象

創風機Q F-BP25
パナソニック

創風機Q F-BP25

2015年より発売され、その年のJADA(※3)デザインミュージアムセレクションに選ばれたのが、シャープの「創風機Q」。直径25cmの球体で「サーキュレーター」と「扇風機」を兼用できるので、一年中部屋に置いておくことができます。LED搭載モデルの場合は、使用中のLED色を、涼しい印象の青と温かな印象のオレンジに自由に切り替えることができます。

「サーキュレーター」としては背面から吸気し、ターボファンによって高い風圧(風速約17.8m/s)に変換して、直線的でパワフルな風を生み出します。これひとつで、室内の空気を大きく動かすことができ、室内の温度をむらなく均一に調整してくれます。

一方、「扇風機」モードを選べば、パナソニックが長年研究してきた「1/fゆらぎ」に基づく自然風に近い風を再現。信州の蓼科高原に吹く風を計測し、風速や強弱のリズムなどを研究、長時間あたってもストレスのない、心地よい風を届けてくれます。

※3 JIDA:日本インダストリアルデザイナー協会の略称

TRUE OF THE TOWER 羽根なしスリムファンRM-83H
ルームメイト

TRUE OF THE TOWER 羽根なしスリムファンRM-83H(ルームメイト)

羽根がないタイプの扇風機も増えています。スリム設計で扇風機に見えない、置く場所を選ばないと人気の「スリムファン」。そもそも黒いデザインというのがあまりないうえに、本体の底面は横幅23cm、奥行き23cmという小ささなので、狭い廊下やキッチン、あまり生活感を出したくないオフィスなどで、重宝しそうです。こちらもDCモーターを採用、風速切り替えは9段階も選べ、首振り機能も付いています。

空気清浄機能付きファンClean & Cool CFX85WC
デロンギ

空気清浄機能付きファンClean & Cool CFX85WC (デロンギ)

スタイリッシュなフォルムにファンの多いデロンギ製の高級扇風機。こちらも羽なしタイプでコアンダ効果(※2)によって筒型のボディに沿って気流を発生させ、正面でぶつかり合わせて広範囲に広がる風を作り出すことで、長時間あびてもカラダが疲れにくいというのが売りです。空気洗浄機能付き。

コラム
風機とサーキュレーターの違いとは?

ずばり、目的による風の質の違いです。扇風機は人が風にあたることを目的として、広範囲に風を起こします。一方、サーキュレーターは空気を循環させるために遠くまで届く直線的な風を起こしています。このような違いがあるため、サーキュレーターの風に長く当たっていると体がつらくなったりすることもあります。
最新の扇風機はエアコンとの併用も考えられていて、扇風機の機能と、サーキュレーター機能の両方を切り替えて使うタイプのものも出ています。使い方や、風の質で選びたいですね。

※この記事は2019年7月25日時点での取材による情報です。

※掲載の情報は発行月時点の情報であり、現在とは異なる可能性があります。