ココジカ

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坂の多い街なのに、赤坂という坂はない

Vol.54 / 2016, 04

つらい由来をもつ牛鳴坂(うしなきざか)

牛鳴坂(うしなきざか)

上の画像にある電話ボックスの裏に坂の標識があります。標識には、「赤坂から青山へ抜ける厚木通で、路面が悪く車をひく牛が苦しんだために名づけられた。さいかち坂ともいう。」と記されています。動物の名前が付く坂は多いですが、由来の多くは「よく見かけた」や「巣穴があった」などの坂が多いですが、牛が苦しんだからと名前がそのまま付いてしまった坂はなかなかないと思います。今では、アスファルト舗装され緩やかな坂ですが、当時はそれだけ人の往来が多く道が悪かったのかもしれません。

牛鳴坂で牛鳴き体験をされた方は、坂上にある標識まで戻ります。先ほどは、牛鳴坂に向かって左側に進みましたが今度は右側に進みます。しばらく進むと階段?坂?が見えてきます。

急な階段でできた丹後坂(たんござか)

丹後坂(たんござか)

坂の中でも珍しく階段でできた坂の丹後坂。標識には、「元禄初年(1688年)に開かれたと推定される坂で、当時は、北東側に米倉丹後守(西尾丹後守ともいう)の邸があった。」と記されています。300年以上の歴史がある坂ですが、短く急な上り坂だったため階段になったようです。標識は坂上にしかないため階段を下りる前に確認ください。

丹後坂(たんござか)

ちょっと休憩をという方は、階段を下りてから左に進むと赤坂の一ツ木通りに出ることができます。
そこで、ランチでもいかがでしょうか。和食から中華や韓国料理、欧風料理など様々な食文化を愉しめるエリアになります。私は、辛いものが好きなので一ツ木通りを左に進んだ同源楼(ドウゲンロウ)の四川料理をよくいただきます。その他にも美味しいお店がそろっていますので、みなさんもお気に入りのお店を作ってみてください。 まだまだ、坂を欲している方は、丹後坂を下りた後に右に進みましょう。左に曲がれる路地がありますので2つ目の路地を抜けたら右に曲がります。直線的で遥か彼方に坂上が見える次の坂が出てきます。

直線的で長い円通寺坂(えんつうじざか)

円通寺坂(えんつうじざか)
円通寺坂(えんつうじざか)

上り始める時は坂上が遥か彼方に見えますが、坂上からはスカイツリーが見えたりします。
標識には、「元禄8年(1695)に付近から坂上南側に移転した寺院の名称をとった。それ以前に同名の別寺があったともいう。」と記されています。坂上には、円通寺が実際にあります。また、坂上の標識は坂を上ってしばらく平坦な道を歩いた先になります。

この辺りには休憩できる場所が無いため、最後の坂を目指していきます。円通寺坂の坂上まで進んだ先の突き当りを左に進みます。歩道が狭いため、注意して歩いてください。しばらく歩くと信号機が見えてきます。信号のたもとからが最後の坂になります。直線的な坂が多かったですが、最後の坂は、2回カーブのある急な坂になります。

曲がりくねった三分坂(さんぶざか)

三分坂(さんぷんざか)
三分坂(さんぷんざか)

TBSの西側にある曲がりくねった急坂の三分坂。標識には、「急坂のため通る車賃を銀三分(さんぷん・百円余り)増やしたためという坂。坂下の渡し賃1分に対していったとの説もある。さんぶでは4分の3両になるので誤り。」と記されています。三分坂の途中には報土寺があり、入り口には、角界の英雄であった雷電為右衛門の墓の標識と築地塀(ついじべい)・練塀(ねりべい)が港区の文化財となっている標識が見られます。
坂の途中で道が分かれますが左側の歩道に沿って下って行ってください。突き当りの信号のたもとに交番があります。左に進むと東京ミッドタウンのある「乃木坂」駅、右に進むと赤坂サカスのある「赤坂」駅となります。

お疲れ様でした。赤坂の起源とされる坂から特徴のある坂を上り下りしました。赤坂には20以上の坂があると言われていますのでその半分も歩いていないことになります。お時間がある際は、元禄忠臣蔵に出てくる南部坂や「乃木坂」駅と駅名にもなる乃木坂などの有名な坂もチャレンジしてみてください。私は下り坂はあっても上り坂のないと噂のものを探してみたいと思います。(答えは編集後記に)

コラム

丸い溝が掘られた坂を見たことはありませんか。急な勾配の坂に多く見られる光景ですが、アスファルトではなくコンクリートで舗装され丸く溝が掘られていますが。これは、車が坂を上ったり、下ったりする際の滑り止めの役割を果たしています。しかし、この溝を設置するための坂の勾配や長さなどの基準はないようです。

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