ココジカ

サンウッドより、暮らしを豊かにするウェブマガジンをお届けします。

Produced bySunwood

レトロと未来が出合うハイブリッドな「まち」神楽坂

Vol.112 / 2021, 02

角のビストロがよく似合う
"リトルパリ" 神楽坂

もうひとつの神楽坂の代名詞となっているのが、"リトルパリ"。石畳の細い路地や、坂道の途中の小さな階段などがモンマルトルの街並みにそっくりだからといいます。また、どちらも文化的伝統があって、歴史あるモノを大切に守り、本物であることに価値を認める住民が多いからでしょうか、実力派シェフがこのエリアに集まり、神楽坂は美食の激戦区にもなっているのです。

神楽坂の街角
神楽坂の街角

夕暮れになり店内の灯りがともると、背景の日本家屋が見えなくなって、神楽坂の街角はますますパリの雰囲気に近づいてきます。

LE BRETAGNE(ル ブルターニュ)神楽坂店

「LE BRETAGNE(ル ブルターニュ)神楽坂店」はブルターニュ地方の伝統料理、ガレット(そば粉のクレープ)が食べられるカフェ クレープリーの日本上陸一号店。りんごの発酵酒、シードルと一緒に楽しむのが定番です。
https://www.le-bretagne.com/j/creperies/kagurazaka.html

World Wine Bar by Pieroth(ワールドワインバー バイ ピーロート)
World Wine Bar by Pieroth(ワールドワインバー バイ ピーロート)

「World Wine Bar by Pieroth(ワールドワインバー バイ ピーロート)」は、ワイン輸入商社が経営するビストロ&ワインバー。産地は16カ国1600種類と扱うワインの多さは日本屈指で、ワインを主役に料理とのマリアージュを楽しみたいときにおすすめ。エピスリー・コーナーではキャビアやフォアグラ、チーズも購入できます。
https://www.pieroth.jp/sbr.html

フロマティック
フロマティック

スイス国境に近いフランスのサヴォア地方で愛されてきたチーズ料理のラクレットとフォンデュが楽しめる一軒家レストラン「フロマティック」。本場のラクレットオーブンを使って自分で溶かしながら、ラクレットチーズが食べ放題なのが魅力です。
http://www.fromatique.jp/

このように神楽坂にフランス料理店が多く集まった理由は、1952年に市谷船河原町に創設されたフランス政府の公式語学学校として東京日仏学院(現在はアンスティチュ・フランセ東京)が近いため。この界隈にフランス人講師が多く住み、彼らのために本場のフランス料理店が増えていったというわけです。

アンスティチュ・フランセ東京

その「アンスティチュ・フランセ東京」の校舎もまた、見応えのある歴史的建築です。設計は坂倉準三氏。建築家ル・コルビュジエに師事しモダニズム建築を牽引した建築家です。現在2つの既存棟の改修と新棟の増築中で、2021年中に完成する予定です。

「アンスティチュ・フランセ東京」では専門職のためのフランス語学講座だけではなく、フランス映画の鑑賞会や文化講演会、旅や芸術のワークショップといったさまざまなイベントも開講しています。「キッズ・ジュニアのためのフランス語」講座など、子どもたちに向けたプログラムも開催されているので、家族で一緒にフランス文化に親しんでみてはいかがでしょう?

「キッズ・ジュニアのためのフランス語」講座
Information

アンスティチュ・フランセ東京

所 在 地
新宿区市谷船河原町15
電 話
03-5206-2500
総合受付
9:30(月曜は12:00) 〜 18:00
定休日
不定休
URL
https://www.institutfrancais.jp/tokyo/

今回取材班は、何度も路地のなかで迷いつつ、時間をかけて神楽坂を歩き回ってみましたが、1回では紹介し切れないほど魅力的なお店がたくさんありました。親しみやすいのに品があり、複雑だけど猥雑ではない、神楽坂の魅力は住んでこそじわりとわかる気がしました。

※この記事は2021年2月25日時点での情報です。

※掲載の情報は発行月時点の情報であり、現在とは異なる可能性があります。