ココジカ

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ひつじの魅力にはまる!

Vol.97 / 2019, 11

肉バルブームが続いていますが、ラム肉(仔羊)はお好きですか? 牛肉に比べて低カロリーで高タンパク、しかも鉄分は牛肉の2倍でビタミンB2などのビタミン類も豊富。いま牛、豚、鶏に続く“第4の肉”として日本に羊食が広まりつつあります。11月2、3日に中野で開催された「羊フェスタ2019」に、世界各国の羊料理の店が集結。羊の魅力を探ってきました。

SUNWOOD CLUB MAIL MAGAZINE Vol.97

羊羊フェスタで世界の羊料理を知る羊

2019年は羊の文明開化って?!

数年前に一時ジンギスカンブームがありましたが、その他に知っている羊肉の料理といえば、「ラムチョップならたまには食べるけど...」という程度。羊肉を取り扱っているスーパーも限られているのが、これまでの印象ではないでしょうか。

ところが2016年から2018年にかけてのわずか2年で、羊肉の輸入総量は約1.4倍になっているそう(財務省貿易統計)。これはいよいよ羊食文化の開国目前か...ということで、羊料理を愛する消費者集団「羊囓協会」代表の菊池一弘氏にお話を伺いました。

「日本では羊肉は99.9%輸入しており、日本では1万7000頭くらいしか畜産されていないんです。羊肉は関税率が0%なので、国産羊はごく希少になってしまいました」(菊池氏)

毎年11月の羊フェスタを主催する菊池一弘氏
毎年11月の羊フェスタを主催する菊池一弘氏。「2012年に始めたときは『えーっ羊肉?!』と言われましたが、最近では『おいしいところはどこ?』と聞かれるようになったのがうれしいですね」とのこと

現在、日本で食べられる羊肉の60%はオーストラリア産。次がニュージーランド産で、近年はアイスランドやアメリカ、アルゼンチンなども加わって、多様化しています。しかも2019年は英国からの牛と羊が輸入開始され、ウエールズ産ラム肉も日本に上陸。このような原産国の広がりにちなんで、今年は「羊の開国宣言、羊の文明開化」をテーマに、羊フェスタが開催されたのです。

日本初上陸のウェールズ産ラムのブースでは大使館スタッフがおもてなし
日本初上陸のウェールズ産ラムのブースでは大使館スタッフがおもてなし
アイスランドラム協会
ニュージーランド産ラムはワインを合わせて紹介
アイスランドラム協会ではラムチョップとウォッカ(左)、ニュージーランド産ラムはワインを合わせて紹介

同じラムチョップでも原産国による肉の味の違い、それぞれの国の伝統的ソースの違いなど、食べ比べを楽しむことができた企画でした。

東京の羊料理の名店に出合う

羊フェスタ2019では、東京でお店を開いている各国料理のレストランも多数出店し、バラエティ豊かな羊料理が提供されました。たとえば「アイリッシュシチュー」。羊肉とジャガイモの煮込みで小麦粉のルーは使わない、どちらかというとシンプルな塩味の肉じゃがのような料理です。

戸越銀座の『巨人のシチューハウス』のオーナー、アラン・フィッシャー氏はお店の自慢料理のアイリッシュラムシチューをふるまった
戸越銀座の『巨人のシチューハウス』のオーナー、アラン・フィッシャー氏
戸越銀座の『巨人のシチューハウス』のオーナー、アラン・フィッシャー氏
戸越銀座の『巨人のシチューハウス』のオーナー、アラン・フィッシャー氏はお店の自慢料理のアイリッシュラムシチューをふるまった
新宿三丁目のラム焼肉専門店『lamb ne(ラムネ)』
生後3ヶ月未満の柔らかなベビーラムの串焼き
新宿三丁目のラム焼肉専門店『lamb ne(ラムネ)』。生後3ヶ月未満の柔らかなベビーラムの串焼き目当てに長蛇の列が

また、北海道のキャラクター「成吉思汗(ジンギスカン)のジンくん」のグッズや、愛知県の羊毛織物産業のまち、一宮市の「尾州138ひつじカレー」など、地域おこしの物販ブースもありました。

ジンくん
尾州138ひつじカレー
ジンくん(左)と記念撮影。尾州138ひつじカレー(右)はお土産用に

一方、アジア各国料理店も負けてはいません。羊は食用としての歴史が長いうえ、宗教上のタブーが少ないことから、非常にポピュラーな食材なのです。

日本橋などにあるパキスタン料理のレストラン ナワブのブースでは、羊肉入りサモサやキーマカレーのほか、羊入りチョーメン(焼きそば風)、パキスタン名物のタカタク(羊のモツ入り鉄板焼き)など、初めてきくメニューが盛りだくさん。また中国料理店のブースでは、中国の西北地方や東北地方(旧満州)の、大陸らしい豪快な羊の煮込み料理が出ていました。羊の肉からダシがしっかり出るため、火鍋もよく食べられているのだそうです。

『レストランナワブ』の羊入りチョーメン
タカタク
『レストランナワブ』の羊入りチョーメン(左)とタカタク(右)は現地のファストフード
新橋にあるモンゴル風中華料理店の『BAO』ではチヤンスンマハ(骨付き羊の塩茹で)を紹介
要町の『中国名菜 福光苑 鼓楼』の羊肉とダイコンと白菜漬けのスープはこれからの季節にぴったりの温ったかメニュー
新橋にあるモンゴル風中華料理店の『BAO』ではチヤンスンマハ(骨付き羊の塩茹で)を紹介(左)。要町の『中国名菜 福光苑 鼓楼』の羊肉とダイコンと白菜漬けのスープはこれからの季節にぴったりの温ったかメニュー(右)

※この記事は2019年11月28日時点での取材による情報です。

※掲載の情報は発行月時点の情報であり、現在とは異なる可能性があります。