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アジア初(世界2番目)の「IHIステージアラウンド東京」がいよいよ3月に誕生

Vol.63 / 2017, 01

2017年3月に、豊洲に新しいエンターテインメント施設が誕生します。「IHIステージアラウンド東京」。ステージが360°に展開する、アジア初の演劇シアターとして注目を集めています。この「IHIステージアラウンド東京」でこけら落としとして上演されるのが「髑髏城の七人」。約7年ごとに上演されている本作が、360°のアラウンドステージ上ではどのような演出となって私たちを驚かせてくれるのでしょうか。

SUNWOOD CLUB MAIL MAGAZINE Vol.63

斬新で壮大な劇場システムをアジアで初導入

インターネットが発達し、テレビ番組も映画もYOUTUBEコンテンツなども、どこでもいつでも見たいものが見られるデジタル全盛期だからこそ、好きなものは「生で見たい!!」「会いに行きたい!!」というアクション欲求が膨らんでいるようです。そしてそれに伴い、ライブハウスやシアターも近年急速に進化しています。

従来の小劇場に加え、赤坂BLITZ(TBS)、EXシアター六本木(テレビ朝日)、Zepp東京(Sony Music Entertainment )など、テレビ局やエンターテイメント企業自らが、常設の大型ライブハウス運営に乗り出しています。

そんな中、2017年の話題と言ったらこれ。豊洲に建設中で、3月からの一大興行を控えている「IHIステージアラウンド東京」。TBSが仕掛ける、アジア初の没入型エンターテインメント施設です。"没入型"って何?という疑問に答えてくれるのは下のCG。

IHIステージアラウンド東京のCG
IHIステージアラウンド東京のCG

円形に配置された観客席をスクリーンとステージがぐるりと取り囲み、1300席もの客席を360°回転させることで、全方向のスクリーンとステージを見ることができるという仕掛けです。客席の動きは非常に緩やかなので、観劇中も自分がまわっているとは感じさせず、舞台装置のほうが次々と展開しているような印象になるとのこと。そこに生身の人間のパフォーマンスが加わると想像しただけで、思わずワクワクしてきませんか?

これまでのシルクドソレイユやドラゴンクエストのライブスペクタクルツアーなどのようにステージを囲んで鑑賞する"サーカス形式"でも十分に迫力がありましたが、今回は空間全体が演出の中に包み込まれるので、"没入度"はさらにアップすると言えそうです。

この劇場システム「ステージアラウンド」は、オランダ人のミュージカルプロデューサーによって発明され、2010年にアムステルダム郊外の飛行場跡地にある格納庫で「Theater Hangaar(格納庫劇場という意味)」として誕生しました。アムステルダムでは、交通アクセスが不便な郊外にもかかわらず、オープン以来記録的なロングラン公演と動員数を誇っているのだといいます。そんな世界中のエンタメ業界から熱い視線が注がれる「Theater Hangaar」から、TBSテレビが日本での劇場システム使用独占権を獲得。世界で2番目の劇場として、東京で展開することになったのです。ちなみに3番目はロンドンで、同じく2017年の劇場オープンが決まっています。

劇団☆新感線がまさに360°縦横無尽にあばれまくる

髑髏城の七人~Season花 出演者

世界の一流演出家たちがアムステルダムまで足を運び、演出を熱望しているステージアラウンドシステム。そのアジアでの初演を飾るのは、劇団☆新感線の代表作「髑髏城の七人」です。それも今回は"花""鳥""風""月"の4シーズンに分け、2017年3月末から2018年まで、なんと1年以上にわたってキャストも演出も変化させながら上演し続けるという前代未聞の企画になります。

髑髏城の七人~Season花

【こけら落とし公演】

髑髏城の七人~Season花

スタッフ 作/中島かずき
演出/いのうえひでのり
出 演 小栗旬/山本耕史/成河/りょう/青木崇高/清野菜名/近藤芳正/古田新太 ほか
公演日程 2017年3月30日(木)~6月12日(月)

劇団☆新感線は、演出家いのうえひでのり氏が主宰。1980年代に関西学生演劇ブームの火付け役となり、看板俳優・古田新太ほか、筧利夫、渡辺いっけい等を輩出しました。

企画に先立ち、オランダの劇場を実際に訪れたいのうえひでのり氏は「この劇場空間にいると、まるでその物語の中にいるような錯覚に陥る瞬間がある」、また座付作家の中島かずきも「客席が回転することでアトラクション的な楽しさではなく、ここでしか味わえない演劇的な情感が立ち上がる」と語ったそうです。もともと俳優陣のパワフルな歌とアクション、派手な音響照明、映像演出が見どころの冒険活劇が、ステージアラウンドでさらにパワーアップし、いままでにない体験になりそうな予感がします。

コラム 「髑髏城の七人」とは?

「髑髏城の七人」DVD

1990年の初演以来、約7年ごとに上演している代表作ですが、戦国時代、織田信長亡き後の関東の地を舞台に繰り広げるチャンバラ時代劇という大筋を残しながら、演じるキャストによって見えてくるもの、笑える場面、涙する場面が変化していくという不思議な魅力を持った作品です。特に今回の「Season花」に関しては、いのうえ氏は「圧倒的なリーダーを喪失して、その後の生き方、死に方に思い悩み惑う、信長親衛隊の若者たちの青春群像の物語になる」と語っています。1997年版、2004年版、2011年版がDVDとして発売されていますので、これまで古田新太や市川染五郎、小栗旬が演じた主役の捨之介像を、今回の新演出と見比べてみるのも楽しいかもしれません。

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※掲載の情報は発行月時点の情報であり、現在とは異なる可能性があります。