ココジカ

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銀座で味わう至高のカクテル

Vol.57 / 2016, 07

[カクテル2:マティーニ]
ドライマティーニのオリーブはなぜ食べる?

2杯目につくっていただいたのは、ジンとベルモットを使った、カクテルの王様といわれるマティーニ。マティーニもまた、ジンとベルモットの銘柄や混合比率の違いで、 無数の個性が生まれます。BAR銀座グレイスの場合は、アイラ島のジン「BOTANIST」とベルモット「DOLIN」をチョイス。
通常のジンのボタニカルハーブ(草根木皮類)に、さらに22種類も加えられた「BOTANIST」の、奥深く隠れた甘みを引き出すように、氷を入れたミキシンググラスで充分にステアし、冷やしておいたカクテルグラスに注ぎます。仕上げにレモンピールをひと絞り。その流れるような美しい手の動きに、しばし感動してグラスに見とれていると......「オリーブは途中で口休めにどうぞ」と、種入れを添えて提供してくれました。

マティーニを作っている様子
マティーニを作っている様子
マティーニを作っている様子

「なぜグラスのなかにピックに刺したオリーブを入れるのか、ご存知ですか?」と野原さん。
「マティーニのうち、ベルモットの量が少ないものを『ドライマティーニ(ドライ=辛口)』と呼んで区別します。パーティー会場で、 通常のマティーニはチェリー入り、ドライマティーニはオリーブ入りだと来賓に見分けさせるために入れたのが習慣になったんですよ。もちろん、味覚をリフレッシュさせる役割もあり、当店ではオリーブの品質まで吟味して仕入れていますので、ぜひ召し上がってください」。

冷たいうちに飲み干すのが流儀といわれるマティーニですが、その他のどんなカクテルも、最もおいしいのはつくりたて。15分以内には飲みきってほしいと野原さん。「たとえば2時間をバーでお過ごしいただくなら、ゆっくり飲むのではなく、一杯飲みきったらしばらくはチェイサー(お水)で休んでいただき、十分間をあけて2杯目を注文していただければ結構です」とのことでした。
「また、一晩に何杯かお酒をお楽しみいただくなら、アルコール度数の低いものから高いものへと進んでいただく方がいいと思います」ともアドバイスしていただきました。

いくつになっても銀座のバータイムを楽しんでほしい

最後に、野原さんに今後のお店の抱負をうかがいました。
「この仕事は奥が深く、まだまだ勉強しなければならないことがたくさんありますが、お客様にお出しする一杯にいつもベストを尽くしています。常連のお客様が、お子さまが成人したからバー・デビューだと一緒に連れてきてくださったときはうれしかったですね。また、銀座がお好きだったという90歳のお祖母さまをつれて、娘、孫と3世代で来店された方もいらっしゃいました。いくつになっても銀座での目的地として楽しみに来ていただける、そんな粋をお持ちのお客様を尊敬し、心からおもてなししたいと思いますね」(野原さん)。

ココジカ読者のみなさまには、今回の「読むバー体験」はいかがでしたか?
次に銀座を訪れた際は、ぜひ至福のカクテルを味わってみてください。
カクテル名をよく知らないという方も、野原さんにご自分の好み(①アルコール度数は強めがよいか、低めがよいか、②味は甘めがよいか、甘くないものがよいか、③飲みたい風味、柑橘系、ミント系など)を伝えながら、好きなカクテルを見つけてみては?

BAR銀座グレイス/ チャージ料金1,000円、マンハッタン1,500円、マティーニ1,500円(税別)

コラム2

カウンターバーの知られざる効能とは...

お互いに前を向いたまま語り合い、ときどき視線を合わせるというような横並びでの会話は、二人で同じ時間、同じ空間を共有しながらも、心理的にはひとりでいる状態でもあるといえるそうです。相手と会話しながら、自分自身の心とも向き合い、素直に冷静に語ることがきる場所。 それがまさにバーのカウンター席であり、リラックス効果のあるお酒が気持ちを開かせてくれます。テーブルを挟んで向かい合う位置だけが、必ずしも二人のいい関係を生むとは限りません。ご家庭でも横並びに座って、グラスを傾けながら、深い会話を楽しむ夜をつくってみては?

店舗情報店舗情報

BAR銀座グレイス

【住所】
中央区銀座5-10-10銀座マルシマビルB1F

【電話】
03-6274-6573

【営業時間】
月-金曜 18:00 - 03:00
土曜 17:00 - 00:00
(00:00まで入店可 01:00まで営業)

【定休日】
日曜、祝日

※掲載の情報は発行月時点の情報であり、現在とは異なる可能性があります。